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ひきこもりから「ロリポップ!」運営のpaperboy&co.社長に上り詰めた人
27歳にして売上高8億円のIT企業の社長だが、高校時代はひきこもっていた。 大学もあきらめ、サラリーマンになり、ネットで出会った妻と暮らした。 つつましく生きていければ、それでいいと思っていた。高校1年のころ、外に出られなくなった。特に昼間がつらかった。 パソコンが好きだった。キーを叩いていれば、すべてを忘れられた。 3年間、ひきこもった。悩んだ。大検に合格したが、大学には入れなかった。 家族と一緒につつましく暮らしていければいいと、SOHOで合資会社を立ち上げた。 「まさか社長になるとは」――振り返ると、自分でも驚く。家入一真、27歳。饒舌ではない。 社長より、クリエイターのイメージがしっくりくる。 何かを作りたい、誰かに見てもらいたい――それが原点。引きこもっていたころから、作り続けていた。
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| ※編者注:先行者ネタとは、2000年頃、中国が開発したロボットが余りに滑稽であったため、 それをもとに2chや侍魂などで紹介され、一躍ブームとなったネタの事です。 侍魂の「ロボット技術の最先端」が一番有名でしょうか。 |
女子高生だった今の奥さん・明子さんと出会ったのも、インターネットだった。
2人をつないだのは、近所のネットユーザーを探す「ご近所さんを探せ!」だった。
「『女子高生』で検索して、やたらとメールを送ってた。今考えると、最悪な大人ですよね」
当時高校3年生の明子さんは、4つも年下なのに話が合った。メール交換し、電話し、
チャットソフト「ICQ」で会話した。メッセージが届いたことを知らせる「カッコー!」の音にわくわくした。
出会って半年ほどたった頃。博多駅近くの喫茶店で、初めてリアルで会った。
家入さんはスーツ、明子さんは制服。よく知ってるのに初対面で、奇妙な感じだった。
やがて2人は付き合いだし、明子さんの高校卒業と同時に同棲を始める。
福岡市内のワンルームマンション。PC好きな2人は、隣にいるのにチャットで会話したりした。
家入さんが22歳、明子さんが18歳のころに結婚。明子さんはほどなく、男の子を身ごもる。
会社勤めが嫌になり始めていた。妻と子どもを養えるくらいの収入が在宅仕事で得られれば、
家族と一緒にゆっくり過ごせる――起業を思い立った。
温めていたネタがあった。女性向けのポップで安価なホスティングサービスだ。
「若い女性がどんどんホームぺージを作る時代になりそうと思った。うちの嫁も
ホームページを持っていたし」。それまでのホスティングサービスは、地味なものばかりだった。
資本金30万円で合資会社「マダメ企画」を立ち上げ、レンタルサーバ事業「ロリポップ」を始めた。
月額250円の安さとサイトデザインのキュートさが受け、
事業は滑り出しから順調。1カ月目から黒字が出た。
サイトプログラムからデザイン、サーバ管理などを1人でこなしていたが、
ユーザーは増えて手が回らなくなる。
パートを雇い、知り合いに声をかけて社員を増やし、新サービスを投入し、会社はふくらんでいった。
事務所も何度か移転し、2003年に有限会社化。社名を「paperboy&co.」に変えた。
新聞配達少年=paperboyだった初心を忘れない、という意味を込めつつ、
おしゃれっぽいローマ字表記にし、ティファニーみたいに“&co.”を付けてみた。
自宅で1人、細々とやるつもりだったのに、会社はどんどん大きくなる
――矛盾に悩み、迷うこともあった。
取引先のサーバレンタル企業が倒産した時、すべてが吹っ切れた。
「もう、自分1人の会社じゃない」。ユーザーデータを別サーバに移行しながら、責任を痛感した。
それまで断り続けてきた出資も受けることにした。
いくつもあったオファーのうち、盤石なネットインフラを持つGMO(現:GMOインターネット)の
出資を受け、同時に株式会社化。財務もさらに安定した。
2004年、東京のGMOオフィス内に本社を移転。先進的なネット企業が集まる東京で、
ブログサービス「JUGEM」やSNS「キヌガサ」など、新サービスを開発した。
ロリポップや、ドメイン取得サービス「ムームードメイン」の安定した収益をベースに、
次の基盤サービスを育てようと種をまく。
社員が自宅で作ったサービスを、自社サイトで紹介する「ペパ研」も始めた。
「個人的なサービスで培ったノウハウを、社内に還元してもらえれば」。
家入さんが個人で作ったWeb本棚サービス「ブクログ」も収録。
緩い雰囲気のお笑いサイト「オモコロ」など人気コンテンツも生まれている。
会社は成長を続けるが、従業員数千人の“マンモス企業”にあこがれはない。
「ものを作ったり表現したりする楽しさを、支援していきたい」
フィールドは、ネットでなくてもいいという。「これまでが、たまたまインターネットだったというだけ。
自分たちが作って面白い、使って楽しいものをやりたい」。
次はゲームを作ってみたいと、楽しそうに語る。
平日は毎朝、子どもを幼稚園に送ってから出社し、土日は休んで子どもと遊ぶ。
社長ブログは、2人の子どもの写真だらけ。できれば在宅勤務にし、家族とずっと一緒にいたいと思う。
「おもちゃ箱みたいな……流行りの言葉で言うと、マッシュアップとか、
そういった概念に近いのかもしれませんけど、ぐにょっ!と面白いものを作れる」
「表現の場……例えば、個展とか開いても、見てくれる人は限られた数。
ネットをうまく使えば、数千人、数万人が見てくれる可能性がでてくる」
「“虐待弁当ブログ”(高校3年生の息子に持たせる凝った弁当の写真を掲載しているブログ)で
有名になったお母さんがいる。あれって、ネットをやってなければ、お母さんと息子との間でしか
存在しなかった弁当。ブログでただのお母さんがスーパーお母さんになったことは、象徴的だなぁと」
「引きこもってたころ、ぼくも詩を書いていたけど、
そういうのも公開して、見てもらえるのはいいことだなと思います。見てプッと笑ったりするんだけど」
以 上
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